「住宅ローン(フラット35など)」を利用してマイホームを購入する場合、「自分は、総額でいくらの家が買えるのか?」「毎月いくらの返済が可能なのか?」を考えなければなりませんよね。
住宅ローンの返済方法は1種類ではないんですよ!
どの方法でローン返済を行うかによって「返済金額の総額」や「月々の返済金額」などが変わってくるんです。
今回は「元利均等返済」と「元金均等返済」について見てみましょう。
住宅ローンの返済方法は何種類もある!「元利均等返済」と「元金均等返済」とは何かを知っておきましょう。
家って本当に高い買い物ですよね。
何千万円もするような買い物って、一生のうちに何度もあるものではありません。
それだけに、事前の「住宅ローンの返済計画」はしっかりとやっておきたいものです。
これによって、同じ金額の家を購入したとしても、最終的な返済総額が何百万円も変わってくる可能性があるのですから・・・
住宅ローンは「借入可能金額」に目が行ってしまいがちですが、本当に大切なポイントは「返済計画」です!
無理をしてたくさんのお金を借りたとしても、その後何十年も返済していかなきゃいけないんですからね。
「毎月(無理なく)いくらずつ返済していけるのか」「子どもの大学までの学費はちゃんと捻出できるのか」など、考えなければならないポイントはたくさんあります。
そこで知っておきたいのが、住宅ローンの返済方法である「元利均等返済」と「元金均等返済」です。
どちらの方法を選ぶかによって「毎月の返済金額」や「返済総額」などが変わってきますので重要なポイントです。
「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いはなに?
まずは「元利均等返済」と「元金均等返済」の方式の違いを見ておきましょう。
「借入金額」「金利」「返済期間」がまったく同じ融資を受けた場合、「元金」と「利息」を合わせた金額をどのように配分していくかにいよって、それぞれの支払方法が変わってきます。
◆元利均等返済
「元金(借りた金額)」と「利息」の合計を、返済期間全体で均等に割り振った返済方法です。
毎月の返済金額(元金+利息)が同じ金額になるのが特徴です。
◆元金均等返済
「元金(借りた金額)」を返済期間に均等に返済し、「利息」はその時点の「借入金残高」に対して計算される方法です。
現時点での借入金残残高に対して利息が掛かるというのが特徴です。
返済が進んで「借入金残高」が少なくなると「月々の利息」も少なくなっていきます。
「元利均等返済」と「元金均等返済」のメリットとデメリットを把握しておきましょう
◆元利均等返済
メリット
●「毎月の返済総額(元金+利息)」が返済期間を通じてずっと同じ金額になるので「返済計画」が立てやすい。
●「住宅ローン」だけでなく、「子供の大学までの学費」のような「想定可能な様々な支出」に対して対応しやすい。
●「元金と利息の総額を均等割り」しているので、返済が始まったばかりの時期でも無理なく返済していくことができる。
●自分の年齢とともに年収が上がってこれば(これば・・・ですけど)毎月の支払いがだんだん楽になっていく。
デメリット
●「借入金額」が同じの場合、「元金均等返済」よりも支払総額は多くなってしまいます。
●返済初期は、月々の支払額に占める「利息」の割合が高いので、「元金(借りたお金)」がなかなか減っていかない。
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最初は利息ばかり払っているようなイメージですね。 (^_^;)
◆元金均等返済
メリット
●返済当初から「元金」は均等に少なくなっていきますので、最終的に支払う「返済総額」は「元利均等返済」よりも少なくなります。
●返済開始から同じ時間が経過した時点(たとえば返済開始10年経過時)の「借入金残額」を比較すると「元金均等返済」の方が少なくなります。
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「現時点での借金の額が少ない」というのは魅力ですよね。安心感が違ってきます。
●返済が進むにつれて、支払う利息が少なくなってくる(元金が少なくなっているため)ので、だんだん楽になっていく。
デメリット
●返済開始当初は「毎月の返済金額(元金+利息)」高いので、支払いが辛くなる。
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「若い時期にたくさん支払う」ということになるので、最初はキツイかも。
若い頃は年収も低いでしょうしね・・・ (^_^;)
「元利均等返済」と「元金均等返済」で、実際の支払金額はどれくらい違ってくるの?シュミレーション結果を見てみましょう。
同じ条件で「元利均等返済」と「元金均等返済」それでれで住宅ローンを組んだ場合の、毎月の支払金額や支払総額などのシュミレーション結果がこちらです。
◆借入金額
2,000万円
◆金利
固定金利3.2%
◆返済期間
30年
先程の「メリットデメリット」の項目に照らして見ると分かりやすいと思います。
支払開始時の毎月の返済金額は、
「元利均等返済」が86,493円
「元金均等返済」が107,258円
となり、20,765円の差があります。
30代前半の(安月給?)の時期に、毎月2万円多く支払うことをどう捉えるかですよね。
そして、「支払総額」でも差が出てきます。
「元利均等返済」が31,137,403円
「元金均等返済」が29,626,585円
となり、「元利均等返済」は、1,510,818円も多く支払うことになります。
まあ、30年間で150万円ですからね。
支払総額を少なくしたいというのは人情でしょうが、未来に起こる突発的な支出にも対応できるように、多少の余裕は必要でしょう。
あまり無理をしてキツキツの返済計画をして、その後の人生がゆとりのない生活になってしまってはいけませんからね。
家族全員が楽しく快適に過ごすためにマイホームを買うんですから・・・ (*^_^*)
我が家は一戸建てのマイホームを購入しましたが、住宅ローンは「毎月の返済金額ができるだけ少なくなるように」という点を重視してローンの返済計画を立てました。
厳密にいうと
「毎月の返済金額ができるだけ少なくなるように」
ではなく
「無理をせずに毎月の返済ができる金額」
という考え方をしています。
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ここが重要で・・・
ローンの返済金額が多いが少ないかではなく、「突発的な事故や支出にも対応できる金額かどうか」なんです!
この先20年、30年という長い間毎月返済をしていくのですから、病気や事故、リストラなどの突発的なリスクにもある程度対応できる余裕を持っておくべきだと思います。
※常々こう言ってきましたが、コロナウイルスによってこの考え方の大切さが証明されることになってしまいましたね・・・いつ何が起こるかは誰にも分からない
おかげさまで我が家は住宅ローンの滞納もなく順調に返済できています。
ここで最も重要なのが「収支のバランス」です!
あなたは考えていますか?
多くの人が、決まった収入の中でやりくりをして住宅ローンを組もうと考えるんですね。
その結果、ちょっと無理をして収入レベルよりも高額な住宅ローンを組んで、支払いができずに破綻していく・・・
払えなければ「自己破産」の可能性もあります。
多くの人は、何故「支出面」ばかり見ているのでしょうか???
月収30万円
毎月のローン支払い金額が10万円
これでは苦しいから、支払い金額を8万円に減らそうか・・・
ではなく・・・
月収30万円
毎月のローン支払い金額が10万円
これでは苦しいから、月収を32万円にできないかな・・・
まずは、そう考えてみるべきだと思います。
上記のどちらも「2万円を何とかしよう」としていますが、結果は大きく違ってくるでしょう。
収入金額の上限が30万円と決まっている状態でいくらやりくりをしても、どこかに無理が生じてきます。
それよりも使えるお金(収入金額)の上限を2万円分増やしてやる方が生活にも心にも余裕を持ったストレスの少ない人生を送ることができますよね。
どちらか一方に偏った考え方はいけません。
収入面、支出面、どちらも大切だと思いますよ。
これが「収支のバランス」ですね。
多くの人が見落としている「収入面の改善」を見直すことは重要です。
僕の場合、こういった視点で住宅ローンの返済計画を考えていったことが、コロナ禍でも住宅ローンを無理なく返済できている要因だと思います。
次の章では、
●支出を減らす
●収入を増やす
という両面から家計の収支バランスを分析する考え方について解説していきます。
僕の簡単なプロフィールや失敗談などもまとめてありますので参考になると思いますよ。