「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」の違いは何?
住宅ローン減税によってどれくらい得になるのか、マイホームを購入する場合はいくら控除を受けることができるのか、など「住宅借入金等特別控除」についての疑問を解説します。
また、実際に住宅ローンの融資を受ける際の審査やローンの返済計画の注意点、「住宅ローンシミュレーションの利用方法」についての知識もまとめておきますので参考にして下さい。
住宅ローン減税とは?住宅ローン控除との違いは?
マイホームを手に入れたいと思っている人にとっては「住宅ローン減税」は気になりますよね。
でも、よく耳にする「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」って何が違うのでしょうか。
住宅ローン減税とは、正式には「住宅借入金等特別控除」という名称で、住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合に、年末時点での住宅ローンの残高の一定割合を控除してくれる制度のことです。
「課税対象から控除してくれる」=「減税」ということになりますから、一般的には「住宅ローン減税」や「住宅ローン控除」と呼ばれているのですが、どちらも同じだという解釈で間違いありません。
「住宅ローン減税」は、2014年4月に消費税が5%から8%へ増税されることによって消費が落ち込むことへの対応策として、また、国民が住宅を手に入れやすくすることを目的として採られた措置と言われています。
「住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)」の内容は、住宅を取得してから6か月以内に住所を移して居住している場合、10年間にわたり年末時点のローン残高に応じて所得税の税額控除を受けることができるという制度です。
最大控除額は400万円で、控除期間は10年間です。
※10年間で400万円が控除されるということですが、条件などにより、これよりも少なくなる可能性もあります。
控除を受けるには、住宅ローン減税の対象となる住宅の条件を満たす必要があります。
【住宅ローン減税の対象となる住宅の条件】
●新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
※その個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。
●この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること。
●新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
●10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
●居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条1項(同条3項の規定により適用する場合を除きます。)、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと。
上記の条件を満たしている場合は、毎年末の住宅ローン残高、または、住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%(40万円)が、10年間に渡り所得税から控除されます。
消費税が10%に増税されることによる住宅ローン減税(住宅ローン控除)の延長期間はどれくらいなの?
2019年10月から消費税が10%に増税されます。
それに伴い「住宅借入金等特別控除」の期間が13年間に延長されます。
住宅ローン減税を受けられる期間が10年間から13年間に伸びたということですね。
これによって、
●10年目まではローン残高の1%が所得税、住民税から控除
●11年目以降は、「建物価格の2%」と「ローン残高の1%」のどちらか少ない方の金額が所得税、住民税から控除
となります。
住宅ローンの融資を受けることができる金融機関は?住宅ローン借入審査や返済シミュレーションをしてみましょう
「住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)」によって、夢のマイホームを手に入れることにグッと近づくことができるかもしれません。
では、実際に住宅ローンの融資を受ける場合に知っておきたいポイントを見ておきましょう。
まずは、「住宅ローン減税の対象となる住宅の条件を見たいしているか」をチェックしておく必要があります。
そのうえで、「無理のない住宅ローンの返済計画」も考えておかなければいけませんよね。
よく耳にするのが、「住宅ローンの審査が甘い金融機関はどこ?」や「年収300万円でも住宅ローンが組めるのか」など、「マイホームを手に入れること」を重視した考え方です。
確かに、少しでも多くの融資を受けることができれば、より理想に近い(豪華で大きな)マイホームを購入することはできるのですが、そこを重視していてはいけません。
金融機関から融資を受け住宅ローンを組んで、やっとマイホームを手に入れた後には「住宅ローンの支払い」が待っているのです!
年収 = あなたの支払い能力
なのですから・・・
無理をして高額の住宅ローン融資を受けることができたとしても、その後の支払いは35年(フラット35の場合)も続くのです。
その間には、子供さんが生まれるかもしれません。
塾などの学費もかかりますし、スポーツをしていれば費用もかかります。
車の買い替えが必要になる場合もあるでしょう。
あなたや家族がケガや病気で入院するかもしれません。
考えすぎもいけませんが「いざという時に住宅ローンがキツくてお金がない」ということにならないような「人生における生活設計」は立てておく必要があります。
そういった意味からも、カツカツで無理をした住宅ローンの返済計画はいけません。
まずは、「この先の未来に必要になるであろう経費を把握すること」が大切です。
そのうえで「住宅ローンのシミュレーション」をしてみることをおすすめします。
これは、銀行など金融機関のウェブサイトで簡単にシミュレーションをすることができます。
●年収金額でローンシミュレーションする
●返済期間でローンシミュレーションする
●借入金額でローンシミュレーションする
など、金融機関によって様々なパターンが用意されていますので、いろいろなサイトで住宅ローンのシミュレーションを試してみましょう。
その際大切なのは、「自分はいくらまでの融資を受けることができるのか」ではなく「この先の人生はどうなっていくのだろうか(必要な費用など)」という観点で住宅ローンシミュレーションをしてみると良いのではないでしょうか。
「みずほ銀行住宅ローン返済額シミュレーション」や「三井住友銀行住宅ローンシミュレーション」など、住宅ローンシミュレーションは、無料で何度でも試すことができますので、納得がいくまで金額や条件などを変えて試してみると良いと思いますよ。