ライフスタイルが多様化し家の間取りも様々な個性を取り入れることができるようになってきました。
その中でも「2階リビング」に憧れている人は多いのではないでしょうか。
見晴らしが良くプライバシーも重視できる間取りではありますが、その反面「夏の暑さ対策」「階段の昇り降り」「老後の住み方」など、不安に思う要素があるのも事実ですね。
今回は「2階リビングのメリットとデメリット」を考えてみましょう。
「マイホーム」を手に入れる段階での「理想」と「現実」・・・
マイホームを建てるならこんな間取りにしたいなぁ・・・
そんな将来の夢をあれこれ思い描いている時間って、結構楽しいものですよね。 (*^_^*)
家の間取りや設計は、話が具体化してくるまでは「夢」や「理想」が重視されて、いろいろな機能や物を取り入れた希望が多いんですよね。
しかし、話が本格化してくる頃には(主にお金の面で・・・)「機能性」や「コストパフォーマンス」など「現実性」を重視するようになってきます。
僕は、これまでに「新築の家に2回、リフォーム物件に2回」住んだ経験があるのですが、新築で家を建てる時って、家族にとっては一大イベントですし夢が膨らみまくっていますから、最初の頃はあれこれとこだわりが強いんですよ。
それこそ、クロスや床材などをとっても、材質や色などの細かい部分にまでこだわって選んでいます。
次第に「現実」を突きつけられて、少しずつ「妥協」や「諦め」が入り始めて、最終的には「現実的」なところに落ち着くんですよね・・・ (^_^;)
最初の「夢」の部分をすべて実現したら、建築費だけで「億超え」しちゃうんじゃないかと思います。
最初に思い描いていた「夢」や「理想」は「贅沢だったんだ・・・」と気付く(諦める)瞬間があるんですよ。
↑
我が家もそうでした。
僕が小学生の頃に新築した家は、120坪ほどの土地にゆったりと建てられた一戸建て住宅でした。
父もイケイケ状態でしたので、最初は豪華な応接間やサウナ風呂、僕たちの子供部屋すべてにエアコンや電話などを付けて、天井まである大きな掃出し窓で・・・
という設計で話が進んでいました。
そして僕たちにも、自分の部屋の天井や壁のクロスはどれがいいかなどを選ばせてくれたり、床の絨毯をカタログを見て選んでいたのを思い出します。
しかし、設計も終盤になる頃には、人が来ない場所は「あれっ?」と思うくらいにグレードの低い素材に変更されていたり、サウナ風呂を作るという話も無くなってしまいましたね。
「話が違うじゃん!」って、子供心にガッカリしたことを覚えています。
しかし、それでもかなり豪華な家に住んでいたと思いますけどね・・・ (^^ゞ
その設備は本当に必要なのか?「贅沢」と「必要」を見極めよう!
「夢」と「現実」ってそんなのもだと思います。
特に家を新築する時には「夢が膨らむ」のはあたり前のことですからね。
でも・・・
「贅沢な仕様」なのか、「必要な装備」なのかを迷う事柄もあります。
「2階のリビング」などはその代表格なのではないでしょうか?
僕も魅力を感じているのですが、「2階リビング」にしようか、一般的な1階のリビングにしようかは結構悩みどころではあります。
2階にリビングを持ってくると、見晴らしなど解放感は抜群でしょう。
家の周りの環境が良ければ、まるでリゾート地の高級ホテルからの眺めのような眺望を独り占めできるかもしれません。 (*^_^*)
家の前を通る人からリビングの中を覗かれる心配もありませんし、日当たりも抜群に良いでしょうし・・・
住むうえでの満足度は非常に高くなることでしょう。
そういった意味で、僕も「2階リビング」を検討しているのですが・・・
しかし、良い部分だけを見ていてはいけません。
実際に住み始めてから気付くデメリットも多いかもしれませんからね。
「2階リビング」のメリットとデメリットを考えてみましょう
「2階リビング」にするメリット
まずはメリットから・・・
●見晴らし(景色)が良い
これはメリットの筆頭に挙げられるでしょう。
2階にリビングを持ってくることによって、目線はかなり高くなります。
その分、遠くまで見渡せるようになりますから、窓から見える景色は1階と2階では全く違ってきますよね。
これが、4階と5階ではそんなに変わらないかもしれませんが、1階と2階ではお向かいの家などの「景色をさえぎる物」の存在がかなり変わります。
ほんの数メートル違うだけでこんなにも景色が変わるのか!と驚くほどですよ。 (*^_^*)
立地にもよりますが、「海が見える」「山が見える」「桜が見える」など・・・心に沁みる景色が近くにある土地ならば、「2階リビング」はかなりのメリットと言えるでしょうね。
●プライバシーが守られる
生活の拠点が1階から2階へと移るわけですから、自分たちが居る場所が高くなる分だけ外からは見えにくくなりますよね。
まあ、全面ガラス張りにしている場合は別ですが・・・
「覗かれにくい」というのは、すごく安心感があると思います。
「リビングの窓のすぐ前を通行人が行きかう家」なんて、嫌ですもんね。
「2階リビング」ならば、そんな心配はないでしょう。
●陽当たりが良い
これも、先程の「見晴らし」と同じ理由で、目の前の遮蔽物がなくなるだけで陽当たりはかなり良くなりますよ。
冬場は暖かな光がリビングの奥まで差し込んでくれて、それだけで「癒し効果」も感じられるのではないでしょうか。
陽当たりは「明るさ」と「温かさ」をもたらしてくれます。
日中は照明なしで過ごせるリビングなんて理想ですもんね。 (*^_^*)
●騒いでも近所迷惑になりにくい
これも、立地条件によりますが・・・
1階よりも2階に生活の拠点を置く方が、ご近所に漏れる「音」を心配する必要が少なくなりそうです。
「2階リビング」にするメリット
次にデメリットです。
▼夏は暑い
どの家もそうですが、1階よりも2階の方が気温が高くなります。
生活の拠点を2階にするということは、「夏場は暑くなりやすい」ということも覚えておかなくてはなりません。
ですので、「断熱対策」はしっかりとお金をかける必要があるでしょうね。
特に「屋根裏断熱」は重要です。
夏場の直射日光によって温められた熱が、そのまま「2階リビング」に降りて来てしまいますからね。
また、「窓」にも注意が必要です。
前述の僕の子供部屋は「天井まである掃出し窓」でしたが、これは暑さ寒さが室内に伝わりやすいですよ・・・ (-_-;)
ガラスの面積が大きいので、夏場は陽射しが入りやすく室内の気温が上がりやすかったですね。
冬場は、ガラス面からどんどん室内の温かい空気が逃げていくので、窓の近くはヒヤーッと寒くなりました。
大きな窓は「解放感」「見晴らし」「採光」に優れていますが「断熱性」には問題ありです。
今は「熱を遮断して光だけを取り入れる」というガラスも開発されていますので、資金面で余裕があるのなら、そういった素材は効果的だと思いますよ。
▼階段の昇り降りが面倒。老後は足腰が心配
この問題が一番身近なのではないでしょうか?
「2階のリビングは歳をとってからが心配だよ・・・」って、本当によく聞きますよね。
若い頃には何も感じない5cmほどの段差が、歳をとるにしたがってすごくきつい障害物のように感じるようになってくるものです。
たった5cmの段差でさえそう感じるのに、10段以上もある階段を何度も昇り降りするのは膝への負担もかなり大きいでしょうね。
「若いうちは2階リビングにしておいて、歳をとったらリフォームすればいいよね」
なんて思っていても、実際に住み始めたら・・・
「食料品をたくさん抱えて2階まで階段を昇るのが苦痛!」と感じている人は結構たくさんいるようですからね。
同様に「ゴミ出し」も大変でしょう。重いしね・・・
特に「生ゴミ」はゴミ袋が破れていたら悲惨ですよ! (@_@;)
「階段の昇り降り」は年齢に関係なく大変なんだ・・・って思っておいた方がいいかもしれませんね。 (^_^;)
▼建築コストがかかる
水回りなどは「配管設備」や「構造補強」などの必要があるので、どうしても建築費用が高くなってしまいますよね。
また、先程の「断熱対策」も必要になりますので、ハウスメーカーなどとの交渉も必要ということですね。
▼「2階リビング」の家はなかなか売れないかも・・・
今は建築デザインや間取りも自由になってきていますが、「中古物件として売る場合」を考えると、「標準的」「一般的」な建物の方が売りやすいと言えます。
余裕がある状態での売却ならば良いでしょうが、何らかの問題(お金に困ってなど)があって早く売りたいという場合には「なかなか売れない」や「二束三文にたたかれてしまう」などのデメリットもあるかもしれませんね。
▼冷蔵庫やテレビなどを買い替えた時の「搬入が大変」
これは「意外な盲点」だと思いますが、冷蔵庫などの搬入って結構大変なんですよ!
家電量販店の販売員さんに聞いた話ですが、「大きい冷蔵庫を買おうとしている人には、まず最初に家の間取りや階段の広さや曲がっていないかなどを確認する」って言ってましたからね。
階段から搬入できない場合は「2階の窓から入れる」という方法もあるようですが、別途、搬入費用を請求されます。
▼庭を利用しなくなる?
これはよく聞きますね。
「2階リビングにすると、庭に出なくなる」らしいです。
生活の基盤が2階にあるので「わざわざ玄関まで下りて庭へ行こうとは思わない」んだって。
たしかにそうかもね。
せっかくの庭がもったいない・・・ (-_-;)
「2階リビング」のメリットデメリットまとめ
「2階にリビングを持ってくることのメリットとデメリット」をざっと見てみましたが、すべての家がこれに当てはまるわけではありません。
住む人のライフスタイルや立地条件などによって「住んでいる人の感じ方は様々です」
今まで、マンションの10階に住んでいた人にとっては、2階までの荷物を持っての昇り降りなんて全然気にならないかもしれませんし・・・
「2階からの眺めが素晴らしいよ!」
「いえいえ・・・30階からの眺めはもっと素晴らしいよ!」
30階に住んでいた人が2階リビングに住んでも、「眺望の良さ」を感じることは難しいかもしれませんしね・・・ (-_-;)
●立地条件などによって感じ方は変わる
●人それぞれの価値観によって感じ方は変わる
これが前提としてあることを理解したうえで、「2階リビングのポイント」をあげておくと・・・
●2階は暑い
「断熱対策」は考えておかなければならないでしょう。
●階段の昇り降りや荷物の運搬は大変
若いから大丈夫とばかりは言えないかも・・・
買い物やゴミ出しは頻繁な分だけ、面倒に感じることも。
●建築コストがかかる
「断熱対策」や「水回り」など、通常よりもコストがかかる場合を想定しておきましょう。
大まかにあげると、この3つが大きなポイントになるかと思います。
これらのデメリットを知ったうえで、それ以上のメリットを感じることができるのであれば「2階のリビング」は最高だと思いますよ。 (*^_^*)
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